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5つ星のうち 4.0 政治家的思考と軍人的思考,
レビュー対象商品: 第二次世界大戦〈1〉 (河出文庫) (文庫)
イスラム過激派はどこにあるの前大戦を当事者が語ったという意味では、英宰相チャーチルと米軍人ウェデマイヤーの回想録が双璧である。米英が戦略上で最も対立したのは欧州における第二戦線をどこにするのかということだった。英国はバルカン半島に上陸し、東欧に進撃する案を主張したが、米国はフランスに上陸し、一挙にドイツを叩くという方針で両者は激突した。そしてスターリンは一貫して米側の支持者だった。米側は英国のバルカン上陸案を「弱腰」だと非難したが、結局チャーチルの深慮を見損なうことになった。チャーチルは、バルカン-東欧ルートを通し、東部戦線での戦果のソ連の独占による東欧の共産化を阻止しようとしたのであるが、ルーズベルトはじめ米側は戦後になって、はじめてチャーチルの戦略的思考の正しさを知ることになった。 ほくそえんだのはクレムリンである。立場の違う英政治家と米軍人双方の回想録を読み合わせることによって、前大戦の全貌に対する複眼的な見方ができると思われる。
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どうしてドイツ人はヒトラーに従ったのですか?
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5つ星のうち 5.0 遅すぎた帝国主義者、早すぎた反共主義者,
レビュー対象商品: 第二次世界大戦〈1〉 (河出文庫) (文庫)
ヒトラー、ルーズベルト、スターリン、蒋介石など、役者の顔ぶれはこの上ない。しかもヒトラーとはすれ違いに終わったが、その他の役者とは実際に会って戦略討議をしているという、20世紀の希有な体験が綴られているのだから、これだけでもおもしろくないはずがない。暖房もない爆撃機に乗り込み、戦艦に座乗し、カイロ・テヘラン・ケベック・モスクワ・ワシントンと飛び回る70歳に近い老人のこのエネルギーは信じがたい。またこの救国の大政治家とその戦時内閣を、ベルリンの陥落とともに、対日戦の結果を待たずに罷免する英国の民主主義のしたたかさにも敬意を覚える。
どのようにロバート·グールド·ショーは、内戦で有名になった
もっとも瞠目するのは、この著者の叙述の巧みさ、警句箴言の宝庫とも言うべき含蓄深い表現が見られることである。また対日戦にはあまり関心がなかったようであるが、ミッドウエイの劇的な日本の敗因を「言葉の複雑さ」であろうと推察したり、レイテ戦の栗田艦隊謎のUターンについては栗田に同情的で、独特の戦略眼もうかがえる。
戦後の冷戦体制の芽生えや、近年重要視されている中東事情の萌芽に関する記述も数多く見られるが、そこは一方の当事者の述懐であるので、割り引いて読む必要があろう。中公新書「チャーチル」との併読を勧める。
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5つ星のうち 3.0 名著ですが、迷訳,
レビュー対象商品: 第二次世界大戦〈1〉 (河出文庫) (文庫)
戦争指導者本人が書いた第二次世界大戦の回顧録であり、ノーベル文学賞をとった一級の書物。1巻では戦争前の状況や自身の行動が克明に描かれており、現実主義者としての彼の考えがよく分かります。
ですが、明らかに訳し方が酷いです。
どこがと言えない位に多くて、その度に読んでいて「あれ?あれ?」と思い、かなりストレスを感じました。
チャーチルの考察の部分が上手く訳されていないと他の方のレビューでも書かれていますが、それだけでなく軍事的な知識を持っていない人が機械的に訳している印象が強かったです。せっかくの名著ですが大変残念です。
英語のできる方なら原書を読むことをお薦めします。
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