Nature News
未来の超大陸は北極に誕生 - p2
Kerri Smith
doi:10.1038/ndigest.2012.120402
将来、形成されると予想される超大陸アメイジアは、北極海に誕生する可能性が。
遺伝子に刻まれた知能 - p3
Heidi Ledford
doi:10.1038/ndigest.2012.120403
小児期から老年期までの認知機能の安定性を追跡した研究から、認知機能に与える遺伝的影響の程度が明らかに。
赤ワインはなぜ健康によいか - p4
Ewen Callaway
doi:10.1038/ndigest.2012.120404
赤ワインの成分レスベラトロールの作用機序について、新たな見解が。
海藻で作るバイオ燃料 - p5
Zoe Cormier
doi:10.1038/ndigest.2012.120405
遺伝子組み換え大腸菌により、海藻から直接エタノールを生産することが可能に。
News Scan
一夜漬けはやめよう - p6
doi:10.1038/ndigest.2012.120406a
間隔を変えて繰り返すのが最良の学習法らしい
漂流する大震災の瓦礫 - p6
doi:10.1038/ndigest.2012.120406b
ハワイ諸島に流れ着いてサンゴ礁を害する心配がある
Commentaries
インフルエンザ伝播の研究は急務である - pp7 - 8
H5N1: Flu transmission work is urgent
Yoshihiro Kawaoka
doi:10.1038/ndigest.2012.120407 Original source: Nature (2012); doi:10.1038/nature10884
2001年9月11日:私たちが見た
H5N1鳥インフルエンザ研究をめぐり、議論が巻き起こっている。インフルエンザ研究者、河岡義裕は、インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)を防ごうとするなら、哺乳類で伝播する鳥インフルエンザウイルスの研究を継続することが必要だと主張する。
なぜ、NSABB は論文の一部削除を勧告したのか - pp9 - 11
Paul S. Keim
doi:10.1038/ndigest.2012.120409
メインと大恐慌
H5N1インフルエンザウイルスを哺乳類の間で感染できるよう適応させた研究に関する2本の論文に対し、米国のバイオセキュリティーに関する国家科学諮問委員会(NSABB)が、手順などいくつかの詳細な情報を差し控えて公表すべきだとする勧告を出した。1つは、ウィスコンシン大学マディソン校(米国)および東京大学医科学研究所(東京都港区)に所属する河岡義裕の研究チームの論文で、赤血球凝集素(HA)の型の1つであるH5と、過去にパンデミックを起こしたヒトH1N1ウイルス由来の遺伝子群とを組み合わせたウイルスを作製したところ、ウイルスが哺乳類であるフェレットの間で飛沫感染するようになったことを示している。もう1つは、エラスムス医療センター(オランダ・ロッテルダム)のRon Fouchierの研究チームの論文で、高病原性鳥インフルエンザH5N1ウイルスを哺乳類に感染できるようにする適応実験の結果を報告している。Natureは、NSABBの厳しい勧告に際して方針を決定するため、NSABBに、河岡チームの論文に関して今回の結論に至った理由の説明を求めた。これに対し、NSABBの委員長代理であるPaul S. Keimが同委員会の意見をまとめ、回答を寄せた。
News Features
「ジャネリア・ファーム」の優雅な生活 - pp12 - 16
M. Mitchell Waldrop
doi:10.1038/ndigest.2012.120412
分野の垣根を越えた研究をめざす壮大なプロジェクト、ジャネリア・ファーム。創設から5年が経過した今、その成果はいかに?
Research Highlights
光らない雷の放射線バースト - p16
Physics: Thunder but no lightning
doi:10.1038/ndigest.2012.120416 Original source: Nature 8-8 (2011); doi:10.1038/480008a
キューバのボックスにルールは何ですか
雷活動が引き起こす長時間の放射線バーストは、必ずしも放電を伴わないことが知られている。だが、その理由は完全には解明されていない。日本原子力研究開発機構敦賀本部(福井県)の鳥居建男とその研究グループは、福井県の敦賀半島の先端で、雷雲の下の放射線バーストを追跡した。彼らが観察した放射線発生源は、おそらく雷雲内部の強い電場によってできたもので、移動していた。放射性発生源の形は、半径700mの下向きの半球状で、最も低いところでは、高度はわずか300mだった。
Nature News
ようやく力を発揮し始めたジェミニ天文台 - p17
Eric Hand
doi:10.1038/ndigest.2012.120417
最新の補償光学装置を備え、最先端の天文台によみがえった。
どのようにアステカ人の輸送がある商品でした
ダークエネルギーの大問題 - pp18 - 19
Eric Hand
doi:10.1038/ndigest.2012.120418
宇宙の銀河を観測すると、ダークエネルギーがあって宇宙膨張を加速させているように見えるが、宇宙の長い歴史において、ダークエネルギーが一定だったかどうかは不明だ。それを探る研究が始まった。
News Feature
星たちが奏でる音色 - pp20 - 22
Ron Cowen
doi:10.1038/ndigest.2012.120420
NASAのケプラー宇宙望遠鏡がもたらすデータは、太陽系外惑星の探索だけでなく、星震学にも革命を起こそうとしている。赤色巨星の進化段階さえ区別できるのだ。
Nature News
米国を超えるアジアの科学技術投資 - pp23 - 24
Eugenie Samuel Reich
doi:10.1038/ndigest.2012.120423
日本を含むアジアの10の国と地域が、研究開発投資総額において、2009年にすでに米国に追いついていたことが明らかになった。
暗殺ではイランの核開発を遅らせることはできない - pp24 - 25
Sharon Weinberger
"全文"トップ米調査
doi:10.1038/ndigest.2012.120424
専門家は、イランの核開発計画を遅らせるには国際社会による制裁が最善の方法であると指摘する。
Japanese Author
セントロメアの研究からヒストンと似た新規のタンパク質が見つかった (深川 竜郎) - pp26 - 27
藤川 良子
doi:10.1038/ndigest.2012.120426
長い染色体DNA分子の中ほどに「セントロメア」と呼ばれる場所があり、細胞分裂で重要な働きをしている。国立遺伝学研究所の深川竜郎教授は、DNA上でセントロメアがどのように機能するのか研究している。今回、ヒストンに似たタンパク質が、その機能構築の決定にかかわっていることを発見した。遺伝現象におけるヒストンコードの役割が近年注目されているが、ヒストン以外のタンパク質がかかわる新規のコードが存在しているのかもしれない。
News and Views
トカゲの尻尾の役割 - pp28 - 29
Biomechanics: Leaping lizards and dinosaurs
R. McNeill Alexander
オーバーランドパーク、カンザス州から何マイル。
doi:10.1038/ndigest.2012.120428 Original source: Nature (2012); doi:10.1038/nature10797
綱渡りでは、バランスをとるために長い棒を使う。ジャンプするアガマトカゲも、空中で尾をバランス棒と同じように使っているらしい。それだけではない。恐竜の中にも、同じことをするものがいた可能性があるという。
高エネルギーの原子X 線レーザーを実現 - pp30 - 31
Laser science: Even harder X-rays
Jon Marangos
doi:10.1038/ndigest.2012.120430 Original source: Nature 452-453 (2012); doi:10.1038/481452a
レーザーの歴史が半世紀を超えた今、レーザー開発者たちの夢がまた1つ実現した。原子の状態遷移によるレーザーとしては従来よりもずっと高い、キロ電子ボルト領域の光子エネルギーを持つ、X線レーザーだ。
Editorials
南極条約に迫りくる脅威 - p32
Antarctic Treaty is cold comfort
doi:10.1038/ndigest.2012.120432 Original source: Nature 237-237 (2012); doi:10.1038/481237a
南極を平和と協調の地として維持したいなら、研究者は、科学と南極点のつながりをさらに強固なものとする必要がある。
フランスが原子力発電所の安全対策を強化 - p33
Get tough on nuclear safety
doi:10.1038/ndigest.2012.120433 Original source: Nature 113-113 (2012); doi:10.1038/481113a
福島原発事故の影響が残る中、フランスの原子力発電所の安全性に関して、すがすがしいほど率直で前向きな報告書が発表された。
Highlights
ハイライト - pp34 - 37
doi:10.1038/ndigest.2012.120434
2012年2/2〜2/23号
英語でNature
地中の葉で線虫を捕らえる食虫植物 - pp38 - 40
Katherine Rowland
doi:10.1038/ndigest.2012.120438
植物の外から見えない摂食戦略が明るみになったことで、これまで考えられていた以上に、多くの植物が食虫性を持っている可能性が出てきた。
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